2007年11月23日金曜日

中国の道徳状況

今日は、福島香織さんの「中国の女性人身売買」というエントリから。

李楊:中国人の人間性、仁の欠如。そうそう、最近こういう事件もあったね。南京市でおばあさんが車にぶつかってこけて足を折った。通りがかりの親切な人が、同情して彼女を病院につれていってあげたら、そのおばあさんは、その親切な人が自分にぶつかったから足を折った、と裁判所に訴えて、その人、結局治療費の半額を払わされた。
親切な人は自分が彼女にぶつかったのではない、と主張しても証明できない。裁判官は親切な人に言ったそうだ。「君がぶつかった犯人ではないなら、どうして彼女に親切にしたんだ?」。中国の道徳状況は、すべてがこの調子だ。

http://fukushimak.iza.ne.jp/blog/entry/395966

先日は、子育ての局面で触れる中国社会について書きましたが、一方ではこういったことも、中国で暮らす日々の中では実感させられます。機を見るに敏とでも言うのか、この記事に挙げられているような「落ち目」の相手に対しては、我が身に累が及ばないように遠ざかることを徹底しています。

通勤中などで、週に一度くらいは必ず交通事故の現場に出くわしてしまうのですが、ギャラリーは多数なれど皆遠巻き。たとえ人身事故であっても、誰かが救急車を呼ぶ訳でもなく、あくまでギャラリーとして眺めているだけです。

ま、そんなギャラリーの輪の外で傍観しているだけの自分もいる訳ですが・・・。

李監督が「国内版と国際版では結末も違うよ」に対して、福島さんが「国内版は共産党や警察が正義の味方で、ヒロインを救出して大団円なんだと想像。」、これ凄く分かります。テレビのドキュメンタリーなんかがこんな感じで「演出」されているのをよく見かけますので。


余談ですが、李監督が「ヤミ炭坑を体当たり取材して、「危うく殺されそうになった」とも語っている。」と語っており、福島さんも取材を断念したと述べられているように、本当に危険なところのようです。

石炭王国中国で起きた惨事 「ヤミ炭坑主と悪徳役人」が記者を殺す
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20070131/118083/


この事件も「悪徳な地方役人を厳しく取り締まる中央政府」といった構図で報道されていたように記憶しています。分かりやすい・・・。


更に余談を重ねますが、中国の炭坑事情については、NHK BS で良いドキュメントが放送されていたようです。

中国の炭坑残酷物語
http://d.hatena.ne.jp/kaikaji/20070411

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なかのひと